2013年7月24日水曜日

今回テーマはスクリプト(台本)です。
映像翻訳者はほとんどの場合、映像素材の音声とスクリプトを使って翻訳作業をします。リスニングの苦手な翻訳者さんにとって、スクリプトがあるかないかは重要なわけですが、スクリプトの内容と原音が違ったりすることはあるのでしょうか?

yokoの場合: あります!
 私たちの手元に届くスクリプトの質は本当にピンキリ。ていねいで親切なスクリプトもあれば、眉間にシワがよってしまうようなものもあります。例えば明らかに調べ物をしていないもの。地名や固有名詞に限って「*聞き取れません」となっている。これでは翻訳者の負担がものすごく増えます。単純なミスでも、トリッキーなのがあります。例えば「コンタクトレンズが外れて落ちた」の次のセリフが原音では“It’s stuck on your thigh”と言っているように聞こえるのに、スクリプトでは“thigh”が“tie”になっていたら…。これはリスニングが苦手なら気づかないかもしれません。でも原音が“thigh”である以上、ほぼ翻訳者の誤訳と思われてしまいます。

 反対に時々ものすごく親切なスクリプトにも出会います。わざわざ注釈をつけてスラングを分かりやすく説明してくれていたり、地名を細かく書いてあったり。そんな時は感謝の気持ちでいっぱいになります!

 私の場合、リスニングは得意なほうなので原音とスクリプトが違うと思ったら自信満々で「原音では○○と言っています」と申送りをつけて原音どおりに訳出します。たまに耳に頼りすぎて自分が聞き間違えていることがあるので、あまり自信満々も考えものですが…。原音とスクリプトの違いを聞き取れるレベルのリスニング力は映像翻訳者に必要かもしれませんね。yoko


次回はizumiの場合です。お楽しみに!

4 件のコメント:

  1. 映像翻訳者さんたちが日頃 目にしているスクリプトを書いているのは、どのような方々なのでしょうか?

    ふと疑問に思いました。

    いつも現場視点の刺激的な記事をありがとうございます!

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    1. ご質問ありがとうございます!

      私のお知り合いの方でスクリプトの書き起こしをされる方がいますが、彼女は海外生活が長く、ネイティブ並みのリスニング力があると思います。ちなみに彼女は翻訳もされています。

      リスニングが得意な翻訳者にスクリプトのない映像素材の翻訳と合わせてスクリプトの書き起こし依頼が来ることもありますよ。

      あとは海外で作られているものも多いようです。

      yoko

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    2. お返事ありがとうございます!

      映画制作会社側からスクリプトが提供されるとは限らない、ということかとお見受けしますが、それにはどのような事情があったりするのでしょうか? 秘密保持的な観点からなのでしょうか?

      映像翻訳以外のジャンルでも、資料があれば重宝するのは自明なのに、開発/制作元が漏洩を恐れて提供を渋る話を時々耳にするもので。

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  2. こんにちは。ご質問ありがとうございます。

    あくまで私の経験からですが、スクリプトの有無は制作元がスクリプトを用意しているかどうかによるようです。基本的に映画やドラマのように筋書きありきの素材はスクリプトがありますが、コメンタリーやメイキングなどのいわゆる特典映像にはないことが多いです。スポーツの試合やリアリティ番組、音楽ものも、ないことがあります。クライアントによっては、ネイティブに聞き取りをお願いし、スクリプトを作ってくれますが、予算が少ない場合は難しいですね。

    秘密保持の点から言うと、制作元はスクリプトより映像そのものに敏感なようです。

    あくまで私の経験上なので別のケースもあるとは思いますが、ご参考まで。

    返事が長くなり、失礼しました。引き続き、ブログをお楽しみいただけたら嬉しいです。

    izumi

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