2013年8月2日金曜日

 Yokoからスクリプトと原音が違う場合の話が出ました。この場合は原音に合わせます。では、スクリプトと原音は合っているけれど、事実と違う場合はどうするか?ドラマや映画の場合、フィクションということである程度のごまかしは効きますが、ドキュメンタリーとなると話はややこしくなります。

 たとえば”This city has the biggest population in India”(この街はインドで最も人口が多い)というナレーションなのに、調べてみると人口が最大の街は別にある。(こういう裏取りも翻訳者の仕事です。)その場合、「インドの中でも人口の多い街」というように訳をぼかします。英語は気軽に最上級を使う傾向にあるので、”the most”なんて出てくると、けっこう身構えます。ほかにも動物の種類が違っていたり、人物名が違っていたり、意外といい加減なもんです。そういう場合も、原音を無視するわけにはいかないので、間違った情報を出さずに済むよう、あえて大きなくくりでまとめて訳したりします。

 何よりもやっかいなのが、数字が間違っているとき。これもあえてザックリ訳してごまかしたりしますが(336→約300というように)、データによって数値が異なる場合もあります。ザックリ訳せる範囲ならいいのですが、あまりに数値の幅が広い時はあきらめて「広い」「大きい」にしちゃうことも。過去の経験では、音声だけでなくテロップでバーンと出ている数値が間違っていることがありました。これはクライアントさんと相談し、見ぬふりを決め込みました。(訳出せずに無視!)

 文書なら注釈をつけることもできますが、字幕は映像の邪魔をしないことが鉄則!間違った情報を見つけるたびに、いかにウソをつかず自然にごまかすか、頭を悩ませているのです。 izumi

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