2013年11月17日日曜日

安全じゃない!?

 izumiです。気がつくと、街はすっかりクリスマスモード。仕事もにわかに慌ただしくなり、このまま年末に突入しそうです。

 実は少し前にヒマ期間がありまして、映画三昧の日々を送りました♪ 映画を見る時はメモを片手に字幕をチェックします。使ってみたいセリフを見つけると、その場でメモ。真っ暗闇の中で書くので解読不能な時も多いのですが、書くことに意義があると信じてせっせとメモしています。

 先日見た映画でも、作品の雰囲気と字幕がピタッと合って、かっこいいな~と思いながらメモしていました。鑑賞後は友人とお茶タイム。興奮冷めやらぬまま、映画について熱く語っていると、友人がポロッと言いました。「1カ所、気になる字幕があったよね」。…実は私も「あれ?」と思う場面があったのです。映画に夢中で流していたのですが、眼光鋭い友人は見逃しませんでした。主人公が危険な場面で、友人が叫ぶセリフ。「ここは安全じゃない!」原音は”It’s not safe here!”でした。言葉どおりですね。だけど切羽詰まった場面で「安全じゃない!」は、まどろっこしい。「ここは危ない!」としたいところです。

 この指摘を聞いた瞬間、3年ほど前の経験が走馬燈のようによみがえりました。身内を紛争で失った女性が、敵対する民族をなじるシーンを訳していた時です。”You are a killer!”というセリフに、「あんたは殺人者よ!」と字幕をつけました。この時、何か引っかかっていたのですが、ほかの複雑なセリフの訳に気を取られて、そのまま納品しました。で、クライアントさんから返ってきたチェックには、ひと言「“殺人者”は”人殺し”でいいですよね?」・・・これを見た瞬間、頭の中に「ごめんなさい!」という叫びがこだましました。「なぜ気づかないんだ!?私のバカ~!」と、恥ずかしさと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。こういう簡単なセリフほど、思い込みでスルッと訳してしまいがち。公開される前に指摘してくれる人がいたのは、本当にラッキーでした。

 私のミスに比べれば、「安全じゃない!」に違和感を覚える人は少ないでしょう。指摘した友人は吹き替え翻訳者で、仕事目線で見ていたから気づいたのだと思います。それでもやはり、作品の世界に浸っているときに「あれ?」と感じるような訳は可能な限り避けたいもの。そのためには客観的な目で訳を見直すことが大事だと、つくづく感じました。過去のイタイ失敗はよみがえりましたが、大先輩でもこういうことはあるんだな~と、ちょっぴりホッとしたのも事実。ちなみに、ほかの訳はひれ伏したくなるほどすばらしかったです。

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