2015年2月10日火曜日

字幕がラクって大間違い!


 翻訳学校の修了間際に、吹き替えか字幕かどちらを専門にやっていこうかと考えた時期があったのですが…告白します。私は愚かにも「字幕のほうがラクそう」と思って字幕翻訳者の道を歩み出したのでした。(ごめんなさい、ごめんなさい!)

 皆さんはとっくにご存じでしょうが、字幕翻訳には1秒4文字ルールがあります。当然、原音の情報をすべて字幕にすることは物理的に不可能。そのために翻訳者はセリフの中から本当に必要な情報を抽出して、さらにそれを滑らかな日本語訳にしなければならないわけです。「字数が限られているから、情報が削れる=ラクができる」。出だしから、愚かな考えを持っていた私はいきなり壁にぶち当たりました(当然です)。

 字幕に出せる情報が少ないということは、当たり前ですが、原音の情報を訳者が勝手に取捨選択していいわけではありません。ひとつひとつのセリフの中で脚本家は何を一番伝えたいのか、ストーリーを追うために必要な情報はどれなのか。こういったことをじっくり考え、理解して訳を作らないと視聴者は迷子になってしまうのです。

 確かに字幕翻訳では訳しにくい情報を削ることはできてしまう。でも、それはすぐにバレます。見る人が見れば、「逃げの訳」だと簡単に分かります。何よりマズいのは、そうして作った字幕は、とても不親切で身勝手なものになってしまうということ。そんな字幕がそのまま世に出回ることはめったにないと思いたいのですが…。

 そんなわけで、もし字幕と吹き替えのどちらを専門にしようか悩んでいる学習者が読んでくれているのなら、私のような愚かな勘違いをしないでくださいね。浅はかだったあの頃の私の自戒を込めて…(ごめんなさい、ごめんなさい!) yoko

  
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