2015年5月18日月曜日

字幕について語るときに我々の語ること

izumiです。ようやく「バードマン」見ました!面白かった~!実は、小難しいアート系かなとちょっと身構えて行ったのですが、下世話で遊び心満載のダークコメディで大笑いしました。話題の超ロングショットはとにかく圧巻!どうやって撮ったのか不思議です。音楽も抜群にセンスいい!どこまでが現実でどこまでが虚構なのか?「あれ、もしかしてあの時は…?」とあとから気になって、何度か見直しちゃいそうです。

で、気になる字幕ですが、これ、全編ほぼしゃべりっぱなし!しかも、ハリウッドやブロードウェイの小ネタから、劇中劇のレイモンド・カーヴァーの引用(『What we talk about when we talk about love(愛について語るときに我々の語ること)』は読んでおいたほうが楽しめます)、マシンガントークの会話に独白と、どう見ても翻訳者泣かせ。俳優の実名もポンポン出るし、とても字幕に入りません。しかも見方によっていろんな解釈のできる内容なので、解釈の余地を残して訳したい。どないせいっちゅーねん!とキレたくなるレベルです。

たぶん、こういう作品って、どう訳しても異論は出ると思うのです。じゃあ、どうする?と考えた時、翻訳者は自分の解釈を頼りに訳すしかない。「作品が伝えたいこと」を軸に、訳がブレないようにする。この“ブレない”いうのがすごく大事だな~と最近つくづく思います。翻訳者がブレると、訳を頼りにしている視聴者は迷子になる。だからと言って、視聴者を誘導するような訳は避けたいし、誤った解釈のまま訳したら取り返しがつかない。私も訳に迷うことは、しょっちゅうあります。そんな時に軸がしっかりないと、ブレてしまうのです。

「バードマン」の字幕を手がけたのは、ヒューマンドラマに定評のある稲田嵯裕里さん。字幕の流れがすばらしく、とても勉強になりました。DVDには吹替版も収録されるようなので、こちらも楽しみ!吹替翻訳者さんも、悶絶しながら訳したのでは?今回は字幕についてあれこれ考えながら見たので、次は映像に集中して見ます。未見の方、まずは劇場で体感すべし♪

5月27日の翻訳百景のミニイベント、残席わずかです。迷っている方はお早めに!

0 件のコメント:

コメントを投稿